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2017年3月 1日 (水)

迎賓館赤坂離宮・目黒雅叙園「百段雛まつり」見学記

Gei01 先日(平成29年2月20日)クラブツーリズムのバスツアーで赤坂離宮と目黒雅叙園に行った。クラブツーリズムでの旅行は茨城空港からの関西、九州、北海道旅行などに何回か利用したことがあるが茨城県内出発の日帰りバス旅行は初めてである。

 毎週金曜日にBS日テレで「ぶらぶら美術館・博物館」という番組が放映されているが、1~2か月前に赤坂離宮が紹介されていた。赤坂離宮は昔ハトバスの車窓から眺めた事があり、機会があれば行ってみたいと思っていた。目黒雅叙園も毎週土曜日のNHK総合で放映される「ブラタモリ」で最近紹介されたので興味があった。

 水戸駅前を7時55分に出発する。バスは水戸始発のものだけでも2月中に3回あるが
今回はバス2台で80名の参加者があったそうで驚いた。女性客が多いのは百段雛まつり目当てのせいだと思った。天気予報は午前中晴れ、午後は曇りで夕方雨という変りやすく、風が強いと云う事だった。

Gei03 道路は首都高もあまり混んでおらず、最初の目的地であるお台場近くにある「有明サンルートホテル」での11時20分からのバイキング昼食時間より40分早い10時40分にホテルに到着した。ホテルの庭園側に出ると夢の大橋という広い遊歩道を通って東京レジャーランドと大観覧車からセントラル広場に続くシンボルプロムナード公園がある。時間があるので、観覧車付近まで行こうと思ったが強い向かい風が吹き付けてなかなか歩けず夢の大橋近くまでで断念して戻った。写真の左側にある大きな建物は東京ベイコートクラブという高級会員制ホテルで二つのタワーがつながっている所にスパとプールがあるそうである。

1.迎賓館赤坂離宮

Gei04 有明サンルートホテルでバイキングの昼食を食べて迎賓館赤坂離宮に向かう。赤坂離宮は洋風の東宮御所を新たに建設することになり、10年の歳月をかけて明治42年(1909)に完成した西洋風宮殿建築で、戦後、国に移管され外国の賓客を迎える施設が無かったため、赤坂離宮を改修して国の迎賓館に充てることになった。改修工事は昭和33年に始まり昭和49年(1974)に現在の迎賓館赤坂離宮が完成した。また平成21年(2009)には迎賓館赤坂離宮、本館、正門、主庭噴水池等が国宝に指定されている。

Gei05 迎賓館赤坂離宮は平成27年までは夏季の10日間だけ一般公開してきたが、平成28年から外国からの賓客の接待に支障のない範囲で、通年で公開されるようになった。其の内、前庭の定員は制限無しだが、本館と主庭は1日の見学者は3千人に制限されている。

 団体での参加者は迎賓館に入るには事前に参観者の氏名、性別、生年月日、住所を記した名簿を内閣府に提出し、当日は氏名を申告して確認書類を名簿と照合し、荷物検査を受け、飲み物で開栓されているものは一口飲んでからでないと入場出来ないという厳しいチェックがある。また本館内は撮影禁止になっているので、内閣府ホームページからコピーした写真やネット上、或いは絵ハガキなどからコピーした写真を表示した。

Gei06 入館前のチェックが終わると本館西門の入場口から入館する。本館2階への階段を上がると北側に「彩鸞の間」がある。左右にある大きな鏡の上などに鸞(らん)と呼ばれる架空の鳥をデザインした金色の浮彫りがあるのでそう呼ばれている。晩餐会の招待客が国・公賓に謁見したり条約・協定の調印式や公賓とのテレビインタビューなどに使用されるという。

Gei07 次にGei08東側にある「花鳥の間」に入る。天井に描かれた36枚の絵や壁面に飾られた30枚の楕円形の七宝などに花や鳥が描かれていることからそう呼ばれている。この部屋は、主に国・公賓主催の公式晩餐会が催される大食堂で、最大130名の席が設けられる。

Gei09_3Gei10 Gei11 「花鳥の間」を過ぎると大ホールに出る。1階から中央階段を上がった正面の左右の壁面に小磯良平画伯が描いた大きな油絵が飾られている。向って左側が「絵画」という題で、右側が「音楽」という題である。その中央の入り口から真っ直ぐ南側にある扉を開けて入ると「朝日の間」というメインになる部屋なのだが、つい先週の2月15日から改修工事が行われ、約2年間閉室すると云う事で残念ながら見られなかった。この部屋の名は天井に描かれた「朝日を背にして女神が香車を走らせている姿」に由来している。この部屋は国・公賓用のサロンとして、表敬訪問や首脳会談等が行われているという。

Gei12Gei13 2階大ホールを「朝日の間」方面から見ると8本のコリント様式の大円柱が並んでおり、中央のシャンデリアの先に階段の降り口が見られる。階下から見上げると中央階段の床には、イタリア産の大理石が張られ、その上に赤じゅうたんが敷きつめられており、その上に8基の黄金色の大燭台が置かれている。

Gei14 大ホールから2階西側にある「羽衣の間」に入る。この部屋の名は謡曲「羽衣」の景趣を描いた大絵画が天井に描かれていることから来ている。当館で最も大きな部屋で壁は楽器、楽譜などをあしらった石膏の浮彫りで飾られている。正面の中二階にはオーケストラボックスがあり、この部屋が舞踏会場として設計されたことを物語っている。この部屋は雨天の際に歓迎行事を行ったりレセプションや会議場として使用されるそうである。

Gei15Gei16Gei17Gei18Gei19 最後の見学場所「羽衣の間」から階下に降り本館の南側の主庭に出る。ここは全面砂利引きであり多くの松などが植えられ、季節毎の花壇が設けられている。中央に国宝の大噴水があるが残念ながら噴水は出ていなかった。しかし本館を背にした大きな噴水は存在感があり、裏側から眺めた本館のたたずまいも立派である。

Gei20Gei21Gei22 前庭に廻る。正面中央にはバルコニーのついた玄関があり、その上の緑青の屋根には甲冑をかたどった彫刻が左右に置かれており、その下の三角形の部分には菊の紋章と共に鎧兜のレリーフが置かれている。バルコニーの2階右側には農作物やハンマーなどの工具がデザインされて農業・工業の振興を表し、左側のレリーフには楽器・楽譜・パレット・絵筆などがデザインされて芸術の振興を表している。また少し離れた屋根の上部には球形の装飾を4羽の鳳凰が囲み鳳凰の間には皇室と日本政府を表す桐紋が配されている。

Gei23Gei24  松が沢山植えられた砂利道を正門に向かって歩く。見学の入り口は西門だったが出口は正門である。

 

2.目黒雅叙園

Gei31 迎賓館赤坂離宮から目黒雅叙園に行く。目黒雅叙園では「百段雛まつり九州ひな紀行Ⅱ」という企画展を今年(平成29年)1月20日から3月12日まで東京都指定有形文化財である「百段階段」を使用して行うので、それを見学するためである。

 目黒雅叙園は昭和6年(1931)にこの場所に料亭を開業したのが始まりである。そして昭和8年に百人風呂という浴場施設を造り、昭和12年に日本最初の総合結婚式場を作り上げた。そして昭和の戦前には豪華絢爛たる建物や装飾品により「昭和の竜宮城」と呼ばれるようになった。その後「百段階段」がジブリアニメ「千と千尋の神隠し」の舞台モデルになり注目された。

 その後平成14年(2002)に経営破綻し経営者が変わったり旧本館を建替えたりしたが、旧木造の建物のうち現在でも「百段階段」の部分だけが残されている。また新本館には旧館の美術品の散逸を免れたものを使用して居り、現在でも豪華な総合結婚式場・ホテル・レストランとして知られている。

Gei33Gei34 ホテルのフロントまでのエントランスには江戸時代の様子を描いた木彫りの大きな絵が何枚も飾られており、また水中に花が飾られたりしていた。その先にレストラン街があり、フロントまで100m以上続くのだそうである。

Gei35Gei36 「百段階段」の雛まつり会場はフロントに行く道の反対側にあり、エレベーターで行くのだが、エレベーター乗り場に行くまでに野原に雛段を飾った風景や「さげもん」という吊るし飾りが置かれていた。雛まつり会場は撮影禁止という事なのでここの写真だけを撮った。雛まつり会場の写真は目黒雅叙園のホームページなどのネットの写真をコピーした。

Gei37Gei38Gei39 会場に行くエレベーターは扉も内部も螺鈿細工の装飾を施した豪華なものである。エレベーター内部の左右には百獣の王である獅子をモチーフにしたもので、前後は牡丹の図柄のもので、45人乗りという大きなものである。

Gei40Gei41Gei42Gei43Gei44Gei45Gei46Gei47 「百段階段」は昭和10年(1935)に建てられ、目黒雅叙園に現存する唯一の木造建築で、99段の階段廊下を持っているので百段階段と呼ばれている。階段廊下の南面には七つの部屋があり、下から荒木十畝の花鳥画が描かれている「十畝の間」。二番目は一番豪華な「漁樵の間」という部屋で、室内はすべて金箔、金泥、金砂子で仕上げられている。三番目は「草丘の間」で磯部草丘の四季草花絵などが描かれ、四番目は橋本静水などの画家が描いた「静水の間」。五番目が板倉星光が四季草花を描いた「星光の間」。六番目が鏑木清方が美人画や四季草花を描いた「清方の間」。最上階は歴史資料館として利用されているが天井画は松岡映丘門下の作品で、「頂上の間」である。この様に各部屋の天井や欄間には当時の著名な画家達が創り上げた美の世界が描かれておりこれらの部屋を含めた「百段階段」は平成13年(2001)に国の登録有形文化財に、平成21年(2009)に東京都指定有形文化財に指定されている。

Gei48Gei49Gei50Gei51Gei52 雛まつりにはあまり興味が無く、部屋の中の絵画や彫刻に多く眼が行ったが「漁樵の間」に200体以上の人形がひしめき合っていたのには驚いた。他に目黒雅叙園のホームページなどのネットからの写真も示す。

「百段階段」は企画展期間以外は閉ざされているが期間外でも月に何日かは「美と匠の祭典」として専任ガイドの案内による「百段階段見学ツアーとお食事」の会があるので機会があれば行ってみたい気がする。

                                            
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